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Interview GOTA MIURA 『エクスペディションに欠かせないアイテム』

2016年、ベースキャンプダッフルは誕生から30年を迎える。「強い袋」をコンセプトに開発され、初代からその形はほとんど変わっていない。エベレスト、果ては南極、地球を駆け巡るクライマーやアスリートにとって、その存在はもはやスタンダード。欠かせない存在となっている。数々の海外遠征を平年している三浦豪太氏も愛用するひとりだ。

僕らにとっては、栄養袋のようなもの

「2002年のチョーオユー(標高8,201m、世界で6番目の高峰)遠征時ではじめて使ってから、ずっと愛用しています。サイズは100L前後で、おもに個人の装備入れにつかっていて、生活必需品、着替えやダウンジャケット、フリース、寝袋・・・、高所用のマウンテンブーツなんかもここに入れておきます」 三浦豪太さんは、幼少のころから登山に親しみ、2003年に父・三浦雄一郎さんとともに世界最高峰エベレスト(標高8,848m)に初登頂を果たした。さらに2013年にも挑戦し、再び父子で頂を踏んでいる。そうした数々のチャレンジを影ながら支えているのが、ベースキャンプダッフルだ。

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「エベレストまでの道のりというのは、まず日本からネパールの首都カトマンズへ。そして、カトマンズからルクラという町に飛びます。ルクラからは、自分の足で2週間ほどかけて5,300メートルのベースキャンプを目指すことになります。個人装備が入っているベースキャンプダッフルは、道中ずっと僕ら達と一緒なんです。他の装備なんかは、先にポーターに荷揚げしてもらったり、仕分けして後から着いたりしますが。ルクラに着いたとき、こいつは(ベースキャンプダッフルは)いちばんパンパンに膨れています。それがベースキャンプに近づくにつれて、なかからフリースやらダウンジャケットを身につけていくので、だんだんしぼんでいきます。進むにつれてしぼむので、これはなんていうか、ちょうど…サケの栄養袋みたいなものなんです」

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ふ化してまもないサケ赤ちゃんは、まるまるとした大きな栄養袋をお腹につけている。数ヶ月はその栄養袋からのエネルギーのみで成長していくという。成長するにつれてその栄養袋はしぼみ、やがてなくなる。徐々にしぼむベースキャンプダッフルの姿は、まさしく遠征隊にとっての栄養袋なのだという。

「ベースキャンプ」たるゆえん

ベースキャンプでは何週間ものあいだ、テントでの生活となる。個別で多少広めのテントを使うとはいえ、家のようにとまではいかない。

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「テントのなかはスペースが限られています。頻繁に使わないもの、要らないものはベースキャンプダッフルにぶち込んでテントの前室に置いたり、外へ出しておきます。それでもなかの荷物はしっかり守られているし、濡れない。ときに、タンスになったり倉庫にもなったりするんです。ネーミングだけに、ベースキャンプまで持っていくという意味合いもあると思いますが、これ自体にベースキャンプが詰まっているとも言えますね。これ自体がベースキャンプなんです」

じつはその名前以上に、さらなる高みまで豪太さんとともに上がっていたというベースキャンプダッフル。ベースキャンプからエベレスト登頂までは、いくつかの中継基地(キャンプ1から4まで)を経て徐々に高度を上げていくのだが、8,000メートル近くまで一緒に上がっていたそうだ。

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「実際には、酸素ボンベを入れて7,900メートルのサウスコル(キャンプ4)まで持っていっています。ボンベには硬いスクリューがついているので、柔なバッグや麻布だと破けてしまいます。だから専用の木箱を作って、一本一本入れて傷が付かないようにするんですが、木箱だととても重くなってしまうんですね。そこで、丈夫で軽いベースキャンプダッフルに入れるようにしました。まずウェアや寝袋を詰めて、その上に酸素ボンベを入れて、さらに上にウェアを詰めて挟みこんで、サンドイッチにしていきます」

なにより、“ヤックフレンドリー”

ルクラからはヤック(高所に生息する牛)を何頭か借り受けて荷運びする。長旅をともにするヤックは遠征隊にとって縁の下の力持ちだ。

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「ヤックに背負わせる荷物は、重さ50キロ。ベースキャンプダッフルを1つ25キロに調整して2つくくりつけます。よく硬い樽などを使って装備を入れて運ぶのですが、生き物の体は柔らかいでしょう。その柔らかい背中に硬い樽を載せると、背骨に当たるみたいですごく嫌がるんですね。でも、ベースキャンプダッフルをくくりつけて嫌がっているところは見たことがないです。“ヤックフレンドリー”なんですよ(笑)。彼らが崖から落ちても、背中から守ってくれるんじゃないかって思うくらいです。担げて、背負えて、ヒモなどを引っかけられて、持ち手もたくさんあって使い勝手がいいから、シェルパたちにも好評で。遠征終わりには、ダウンジャケットなどを譲ってくれ!とシェルパからねだられることが多いですが、ベースキャンプも負けず劣らずの人気ぶりです」

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遠征から戻ると、ベースキャンプダッフルのあちこちに擦れた跡や汚れ、ヤックの毛がくっついていていることもある。それを見ると、ヒマラヤでの日々が思い出されて懐かしくなるという。

当たり前のことが当たり前に

「じつは過去にお土産を買いすぎて荷物が収まらなくなったことがありました。仕方なく、現地で似たようなバッグを購入して、それに詰めて帰ろうと思ったんです。ところが、荷物を詰めてファスナを閉めた途端、ビリビリビリ〜ッと破けてしまいました。見た目は良さそうなバッグだったんですけどね、全然ダメですね。結局ヒモで縛って持ち帰ってきました。バッグというのはシンプルな構造ですけれど、ジッパーが壊れたり、生地が裂けたりしたら、もう役割を果たせなくなります」

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「ジッパーの歯が一個欠けてしまってももうダメですよね。改めてベースキャンプダッフルの、単純ながらも強い構造を思って実感しました。シンプルな分、パーツのひとつひとつが丈夫で縫製がしっかりしています。(ジッパーの湾曲した部分を指さして)こういう部分とかね、頑丈です。こうした当たり前のことを、当たり前にきちんとしていることは逆に難しいんじゃないかな。シンプルな分、とくに」

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長年、三浦ファミリーを支えてきた歴代のベースキャンプダッフルは、かなり使い込まれていて、10年以上前のモデルには生地の経年劣化が見られる。しかし、ストラップ類やU字ジッパーは健在で不具合もない。まだダッフルバッグとしての役割は十分に果たせそうだ。

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「まさに質実剛健。これほどまでにそぎ落として。色気はなくした…のに、何だか格好良さはあるんですよね。街中で若者が使いたくなるのも分かる気がします。無駄がない良さっていうか、実用性も兼ねていて。急に15分で出るぞ!とか言われても、入口をバコッと開けてほぼ考えずに詰め込めますもんね」

2018年にはチョーオユーへ

通いなれたネパールは、今年4月大きな地震に見舞われた。いつも現地で三浦隊を支えてくれるシェルパにも被害をもたらしたという。

「地震発生直後は募金活動などもしていました。でも一番は彼らの仕事を取り戻すことだろうと思っています。ネパールの資源は、なにかっていうと、やはり観光なんです。観光客が激減しているというので、これはもう人を集めていくしかないと。12月に『頑張ろうネパール!エベレスト街道トレッキング』というツアーを行うことにしました。ただいま参加者募集中ですので、ぜひご参加いただきたいと思います!そして2018年には父とのチョーオユー遠征が控えています。これまでは登山に特化してきたところがありますが、スキーヤーであるという本分があります。山頂から滑り下りるのが目標です」

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新たな目標へ向かい、また一歩を踏みだそうとしている豪太さん。豪太さんの行く先々、どの場面にも間違い無くベースキャンプダッフルが旅のお供をすることだろう。

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みうら・ごうた 1969年生まれ。プロスキーヤー、医学博士。11歳の時にキリマンジャロに登頂、幼少期は数々の海外遠征に同行。91年よりフリースタイルス キー、モーグル競技へ転向し、冬季オリンピックに2度出場、日本モー グル界を牽引した。その後プロスキーヤーとして競技の解説や執筆活動 をするかたわら、父・雄一郎氏とともに2度のエベレスト登頂を達成する。医学博士の顔も持ち、トレーニングの研究やプログラムを手がけている。「ワオ!体操で100歳まで元気に歩ける」(学研ムック)等、著書も多数。

BC Duffel

ショルダーハーネスなどの細かな部分を改良し、より背負いやすく、さらに収納しやすく進化した定番のダッフルバッグです。多くの遠征隊に愛用される優れた防水性と耐久性、さらに装備の出し入れが容易にできるU字型の開口部のシンプルな1気室。高い対摩耗強度を持ち、濡れや汚れに強いTPEファブリックラミネート製なので、重量のある登攀ギアや不揃いな荷物なども気兼ねなく放り込めます。荷揚げや運搬に便利な4ヶ所のグラブハンドル。サイズはXS〜XXL。

  • BC Duffel XXL

    商品型番 NM81550
    ¥27,000(tax included)

  • BC Duffel XL

    商品型番 NM81551
    ¥24,840(tax included)

  • BC Duffel L

    商品型番 NM81552
    ¥22,680(tax included)

  • BC Duffel M

    商品型番 NM81553
    ¥19,440(tax included)

  • BC Duffel S

    商品型番 NM81554
    ¥16,740(tax included)

  • BC Duffel XS

    商品型番 NM81555
    ¥14,040(tax included)